2025/07/18
犬のしつけ「無視する」の効果とは!?

すればいい…って本当?
愛犬の困った行動と向き合うために

犬と暮らす楽しさや悩みに30年間向き合ってきた私が、
今回は「無視の効果」についてお話しします。
愛犬の困った行動に悩んだとき、
ネットなどで「無視しましょう」と
書かれているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、叱るよりも無視の方がいいというアドバイスには一理あります。
強い口調で叱ったり、威圧的な態度を取ることで、
犬との信頼関係が崩れてしまうこともあります。
そればかりか、犬がストレスを感じてしまい、
逆効果になってしまう場合もあるのです。
犬は“暇”なんです
そもそも犬は、狩りをする動物です。
本来、犬は
・獲物を探し
・見つけて狩りをして
・毛をむしり、皮を引き裂き
・やっと中身を食べる
という、長いプロセスをこなせる
ポテンシャルを持っています。

今の家庭犬はどうでしょうか。
毎日決まった時間に、お皿にごはんが出てきます。
それが幸せに見えても、
実は犬にとっては退屈な日々なのです。
退屈から“困った行動”が生まれる
暇を持て余した犬たちは、
やることを探します。
・家具を噛む
・ゴミ箱を荒らす
・通行人に吠える
人間にとっては「困った行動」も、犬にとっては
「何かしてみよう!」
という刺激を求めた結果だったりします。

そんな時に「無視」が効果を発揮する場面もあるのですが……
無視が“効く犬”と“効かない犬”がいる?
ここでとても大切なのが、人と犬との信頼関係です。
私たち人間でも、仲の良い人にスルーされたら
「あれ?」と感じて行動を見直しますよね。
でも、特に関係のない人に無視されても
「ふーん」で終わってしまうものです。
犬もまったく同じです。

私とワンちゃんの間に、
「この人の言うことを聞いているといいことがあるな」
と思ってもらえる関係ができていれば、
無視することによって
「それをしても何もいいことが起こらないんだ」と学び、
行動を変えていく可能性が出てきます。
でも、その関係性ができていないうちに無視だけしても、
ほとんど効果はありません。

こんな例で考えてみてください
私は藤井風さんのファンなんですけど、
昨年コンサートのグッズが売り切れていて買えなかったんです。
とても悲しかったので、次は早めにチェックしよう!と行動が変わりました。
でも、お友達が別のアーティストのグッズを買えなかった話をしていても、
正直「そうなんだ~」程度なんですね。
同じ出来事でも、自分との関係性によって感じ方も行動も変わるということです。
犬にとっても同じで、「好きな人」「信頼している人」だからこそ、
行動に変化が起きます。

無視が効いた我が家の例
うちの息子は、あまり犬に関心がありません。
なので、息子が無視しても、うちのワンちゃんは気にもしません。
でも、私がワンちゃんの吠え声に反応せず部屋から出ていくと、
「吠えたら母がいなくなっちゃう」と学んだようで、
吠える回数が少しずつ減ってきました。

このように、誰が無視するのかということも、
効果に大きく関わってくるのです。
無視だけじゃ足りない、大切なのは関係づくり
「無視」は一つの方法ではありますが、
万能ではありません。
効果があるのは、
・信頼関係ができていること
・普段から飼い主さんとの関係づくりができていること
この土台があるからこそ、「無視」が犬の心に届くのです。
次回は「犬から見た無視とは?」をお話しします
実は、人が「無視しているつもり」でも、
犬にとっては無視になっていないこともあります。
このあたりの誤解や注意点については、
次回くわしくお話ししていきますね。
ここまで読んでくださってありがとうございました!

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